荒川光のブログ

Hikaru Arakawa's blog

「ダメ」という言葉を使うのをやめませんか? 強い否定語を使いたがる人の5つのタイプ

 

私が働いている職場では「ダメ」という言葉をよく耳にします。

仕事上の指示として使われることがほとんどで、「それをしてはダメ」「そのやり方ではダメ」「こんな結果ではダメ」などのような文脈で口にされます。

 

短くて発音しやすく、1秒で言い終われるので忙しい現代人向きなのです。

おまけに何故ダメなのか、どの程度ダメなのか、ではどうすれば良いのかについては一切言及しなくとも、ただ「ダメ」の一言で相手を黙らせてしまえる無慈悲さも人気の秘密でしょう。

「ダ」という強い音がその場の雑音や空気を断ち切って相手の耳を突き刺し、一撃で相手の行動を制止させる効果があります。

 

 

 

そんな便利な「ダメ」なのですが、結論から先に言わせてもらうと私はこの言葉が嫌いです。

相手の言動のみならず、人格や考え方も含めた人間全体を否定しているように聞こえるからです。「ダメ」と言われると「ダメな人間だ」と同義に受け取ってしまうのです。

 

こんな風に感じるのは私だけでしょうか?

他の人たちは特に違和感なくこの言葉を発したり受けとめたりしているのでしょうか?

 

私は「ダメ」という言葉を自分が言われるのはもちろんのこと、他人が他人に使っているのを聞くのも不愉快です。

それだけではなく、ドラマや小説の中の会話で「ダメじゃん」などと使われているのを見聞きするだけでも腹立たしく感じてしまいます。

今日も日本中のあちこちで、朝から晩まで1000万回もこんな言葉が発せられているのかと想像すると本当に気が滅入ります。

 

そこで、どうしてこんなに頻繁に「ダメ」という言葉が人々の口にのぼるのかをちょっと考えてみました。

 

そもそもこの言葉を使うことに抵抗がない

感受性が鈍いのか、この言葉に特別嫌悪を感じておらず、気軽な否定表現として何らのためらいもなく使用している人がいます。

こういう人が使う「ダメ」は同じ「ダメ」でも屈託がない分嫌味にならないので、慣れてくればあまり気にならなくなることが多いです。

この人の言う「ダメ」はまぁ許せるか、というように、使う人によって感じ方が変わることがあります。

 

無精者が手近なところに転がっている言葉を拾って投げつける

考えるのを面倒くさがる人は、パッと頭に思いついた言葉を思考のフィルターを通さないまま口にします。

似たような意味の言葉であれば何でもいいのでしょう。大体の意味が通じて結果的にこちらの望む通りになるのならば言葉は選ばないというタイプです。

日本語には「ダメ」という言葉以外にもたくさんの言葉がありますよ。他の言い回しも試してみてはいかがでしょうか?

ついでですが、「カワイイ」とか「ヤバイ」とか「スゲエ」しか言えない人もいるそうですね。

お互いにボキャブラリーを増やしていきましょうよ。私も頑張ります。

 

 

 

適切な否定表現のボキャブラリーがない

上記のタイプと重複する部分がありますが、他に言葉を知らず、〇か✕か、白か黒か、といった大雑把な表現しかできないため、「良い」の反対として「ダメ」を使うしかない人。

言葉を使って様々なニュアンスで表現することができるのだということを知ってもらいたい。

よく歌の歌詞などで「言葉では表せない」とか「言葉では伝えられない」とか「こんな時に言葉は役に立たない」などと言葉を軽視し、言葉の力を低く評価しているのを耳にしますが、一体言葉で表現するための努力をどれだけした上で言っているのかと問いただしたいです。

私も言いたいことを上手く言えない歯痒さを毎日のように感じていますが、それは言葉のせいではなく私のせいなのです。

「言葉なんて役に立たない」のではなく、役に立たないのは自分だということに気付いてもらいたいものです。

古今東西の偉大な文学作品の1ページでも読んでみれば、言葉の可能性に目を開かれると思います。たとえ自分には言葉を使いこなすだけの能力がないにしても。

 

自分の方が立場が上だということを主張したい

 「ダメ」という言葉は目上の人には使わないはずです。必ず自分よりも格下に対して上から使う言葉なのです。

同僚などでどちらが上か下か分からないような関係において「オレが上だ、お前が下だ」ということを定義したい人が、相手のミスに乗じてここぞとばかりに使います。

 

これを機に可能な限り相手を叩きたいという幼稚な加虐趣味の表れ

「ダメ」という言葉の効果、威力を知っていて、あえて使う意地悪な人が時々います。

自分が狙った人に必要な分だけ使うのであれば、その相手から嫌がられるだけで済むかもしれませんが、注意しなければならないのは言葉遣いは癖になるということです。

特に品のない言葉ほどその傾向があります。ここに例を挙げるのは差し控えますが、簡単にいくつも思いつくことでしょう。

「ダメ」が口癖になっている人の周りには人が寄り付かなくなると思います。

 

まとめ

「ダメ」という言葉を使ってもよいのは、理由を説明する時間がないような緊急を要する場合か、相手を威嚇してでも有無を言わせずその行動を制止させる必要がある場合だけに限るべきだと思います。

例えば小さな子供がボールを追いかけて、車が来ている車道へ飛び出そうとするのを止める場合などです。

私はうちの猫が台所のテーブルの上に跳び乗った時にだってそんな下品な言葉は使いません。

うちの猫はダメじゃない。ただ味噌汁を舐めてみたかっただけなのですから。

そんな時には「ダメ」ではなく、「コラッ」って言います(余計に悪いか)。

 

以上、まったく個人的な意見を述べさせていただきました。

反論も多々あろうかと思いますが、こんな考えの人も世の中にはいるのだなくらいに軽く流し読みしていただければありがたいです。