荒川光のブログ

Hikaru Arakawa's blog

スターバックスさん、コーヒーのサイズ表記は「大」「中」「小」でお願いします

スターバックスではコーヒーのサイズを「ショート」「トール」「グランデ」「ベンティ」なんて呼び方をしていて笑ってしまいます。

コーヒーの味や香りで差別化するのが難しいものだからカップの呼称で自己主張しようとしているのでしょうか?

自社が世界を制覇するくらいの成功をおさめたら、このサイズ表記が世界標準になるとでも思っているのでしょうかね。

 

 

自分の店の商品にどんな名前を付けるかは自由でいいと思います。お好きにどうぞ。

でも大きさや分量などの情報は、客に誤解を与えることのないように慣例に従うのが親切なのではないでしょうか? 

慣例などというものは存在しないのかもしれませんが、私の中では「S」「M」「L」などがそれに近いものだと考えています。

 

あえて保守を選ぶ勇気を持ってもらいたいものです。

自分に自信のない人ほど「右へならえ」することが陳腐だとか没個性的だなどと考えてしまうのです。

平凡な人に限って奇を衒います。

スターバックスさんには「もっと自信を持って、堂々と平凡たれ!」と言いたい。

「ショート」「トール」「グランデ」「ベンティ」に比べたら「ネズミ」「ネコ」「トラ」「ゾウ」だとか「サクランボ」「ミカン」「リンゴ」「スイカ」などの方がまだ大きさの序列がイメージできていいくらいです。

 

ステーキ店などのメニューを見ると、肉の重さをグラムの単位で表示してあることが多いですが、これがオンスだとかポンドだとか斤(キン)だとか私たちに馴染みの薄い単位で表示されていたらどうでしょうか?

それが洒落ているとか斬新だなどという前に、私などはただ単に不親切だと感じてしまいます。

独創性は他のところで発揮してくれと言いたい。

料理の味で勝負してくれと言いたい。

前衛芸術家気取りですか?

こっちはどれくらいの重さがあるのかを知りたいだけなのに、どうしてなぞなぞ遊びに付き合わなければならないのか? 

誰にでも分かる単位で、客観的な数字を示してくれればいいのです。

「グランデ」みたいな何の記号か分からないような名称を付けることで、一体何を期待しているのでしょうか?

理解できない年寄りや方言をしゃべる田舎者を来させないための「ふるい」でしょうか?

それともこのコーヒーショップが誕生した土地では、液体の入った容器のサイズをこれらの名前で分類するのが一般的なのでしょうか?

もしそうだったとしても、だからと言ってこの日本でその表記をそのまま使う必要はないのです。何でもアメリカ式にやるというのであれば、店員も英語で接客すればいいではないですか。

 

バリアフリーというときのバリアとは物理的なものだけを指すのではありません。「グランデ」なんて言うのはバリアなのですよ!

 

 

などとちょっと鼻息荒くまくしたててしまいましたが、面白いように誇張して言ってみただけで実際のところ本気で反感を持っているわけではありません。別にどっちでもいいくらいのものです。

 

店ごとに独自のルールを作ることはよくあることです。

ドレスコードのある店もありますし、高級なフランス料理の店なんかだと、私は行ったことがないので分かりませんが恐らくいろんな有形無形のしきたりがあることでしょう。

ただあまりにも独善的に過ぎたりお高くとまって排他的だったりすると客の直感で分かるものです。

私のような他人からの侮辱や蔑視に鈍感な人間でさえそう感じるのですから、いわんや「被害者意識高い系」の人たちにとってはなおのことでしょう。

 

自分で勝手に名前を付けて、他者もそのルールに従わせようというところが生意気、偉そう、傲慢と感じてしまうのです。「そんなお前ルールには従わねぇよ」と反発したくなるのですね。

 

これと似たような感情を抱くことは他にもあります。

例えば自動車のカタログに記載されている、車のボディカラーの表記です。

トヨタプリウスの2017年11月発行のカタログを見てみましょう(注・あくまで有名メーカーのよく売れている車だから例として挙げただけで何ら悪意はありません)。

 

「ホワイトパールクリスタルシャイン」

「アティチュードブラックマイカ」

「エモーショナルレッド」

「サーモテクトライムグリーン」

 

何なんでしょうこれ? どんな色なんでしょう?

「白」「黒」「赤」「緑」ではダメなんでしょうか? ダメなんでしょうね、きっと。

 

「ウチの白は他の白とは違う!」というメーカーの自負がこんな暴力的なキラキラネームを生み出したのです。

何で暴力的かって?

目の悪いおばあさんや滑舌の悪いおじいさんは、ディーラーの営業マンとカタログを見ながら商談していて、車の色の名前をスラスラ言えないからです。

営業マンはスラスラ言える。客は言えない。

この商談でどちらが有利かはあきらかです。スラスラ言えない自分を相手よりも劣位に感じてしまうことは想像に難くない。

たかが色の名前ですよ。しかも自分で勝手に作った色の名前。

 

話はコーヒーに戻りますが、英語やフランス語やイタリア語の表記がお洒落だなどと私たちは思いがちです。でも欧米人がさほど意味のない漢字のイレズミを身体に彫ったり、まったく意味不明な日本語の文言が書かれているTシャツを着ていたりすることからも分かる通り、異国趣味というのは洋の東西を問わずあるものです。

ですのでアメリカで「大」「中」「小」という表記を採用すれば大いにウケる可能性もあると思います。

特に「中」という文字はシンメトリカルかつシンプルで美しい。そして何より「中華」というアジアを想起させる文字だけに大人気となり、皆がこぞって「中」という字を書き散らす事態となるかもしれませんね。

私もアラビア語やタイ語、ヒンディー語なんかで何か書ければいいなと思うことがあります。

意味も発音も書き順もまったく分からないことも手伝ってか、とても美しい文字に見えるのです。

 

それではそろそろこの辺で。

私はスターバックスもトヨタも好きなので、本気の反論記事ではありません。

表記の仕方についてちょっと考えてみようという趣旨でした。