猫を飼っている人に尋ねてみたいのですが、猫がすわる時、それが床の上であれソファーの上であれ自分の膝の上であれ、いつも飼い主に背を向けてすわってはいませんか?
私が飼っている猫のピヨピヨ(仮名)が実はそうなのです。
そのことに気づいたのは、ピヨピヨの写真を撮ろうとしたことがきっかけです。
シャッターチャンスを狙ってしばらくピヨピヨの動向を観察していたのですが、一向にこちらを向いてくれません。撮ることのできる写真は後ろ姿ばかりなのです。
そこで私は記憶をたどってみたのですが、思い返してみても、ピヨピヨがこちらを向いてすわっている姿が浮かんできません。
例外なくいつも後ろ向きなのです。
場所には関係がなさそうで、キッチンでも、リビングでも、寝室でもそうなのです(あれ? 3部屋もあることをそれとなく自慢してしまいましたかね? なに、築40年のボロアパートですよ!)。
正面から顔を見れるのは、こちらへ向かって歩いて来るときと、後ろ向きにすわったまま首をひねってこちらへ顔を向けるときだけなのです。
膝の上にしばしば飛び乗ってくることもあるのですが、膝の上で足ふみをしながらくるっと回って体勢を整え、居心地の良い位置で足を折ってすわり込みます。
でもそのときもやはり頭が向こう向き、おしりがこちら側なのです。不思議ですね。
猫背の背中やしっぽのカーブを見ているのもいいものですが、たまにはこっちを向いてすわればいいのに、素っ気ないなという気持ちにもなるものです。
そこで、ネットで調べてみたら何か情報が得られるかもしれないと本気で考えたわけではないのですが、試しに検索してみたのです。「猫」「後ろ向きにすわる」というキーワードで。
そうしたらなんと、検索結果にたくさん出てくるではないですか。
「へえー、こんなことについてまで書いている記事があるんだ、書いている人がいるんだ」と驚くやら感心するやら。
インターネットってすごいですね。そして世間に人が多くて、いろんな変わった人もいて良かった。
英語やロシア語やアラビア語や、様々な国の言葉で検索できたなら、愛猫が後ろ向きにすわることを嘆いたり心配したりしている世界中の人たちの記事を、きっと読めるのでしょうね。
「ベトナムの猫も同じで、スウェーデンの人も同じなんだな」なんて笑いながら。
そんなわけでいくつかの記事を見てみましたところ、猫が飼い主に背を向けてすわる理由として、大きく分類すると以下の5点ほどの記載がありました。
- 背後から敵に襲われる危険があるため、信頼している飼い主に背後を任せている。
- 飼い主を守ろうとして前方を見張っている。
- 動物では目を合わせるということは威嚇の意味を持つため目を合わせない。
- おしりを撫でてほしい。
- 信頼している猫(親猫など)におしりのにおいを嗅がせる習性がある。
つまり飼い主を嫌っているとかソッポを向いているというようなネガティブな態度なのではなく、信頼し、安心感を抱いているがゆえの行動なのだそうです。
もっとも上記の理由に科学的な根拠があるのかどうかは知りません。一愛猫家の個人的な希望や憶測が広まっただけなのかもしれません。
でも同じ猫好きの私としては、ぜひともこの理由を信じたいものです。愛すべきピヨピヨが私に全幅の信頼をよせ、またけなげにも私を守ろうとしてくれているなんて(でも一体何から?)。
正面からのベストショットはなかなか撮れそうにありませんが、いつかふいにこちらを向いた時をみはからってパシャリとやりたいと思います。
猫って不思議な生き物ですね。
猫が人の体で爪とぎをしないのは何故なのでしょうか?