荒川光のブログ

Hikaru Arakawa's blog

アレルギー物質のコンタミネーションの注意喚起表示に異議あり!

やけに硬いタイトルを付けてしまいました。どうしても他に思いつかなかったのです。それでは以下に詳述します。

 

容器包装された加工食品のパッケージに「本製品は、小麦、落花生を含む製品と共通の設備で製造しています」などと記載されているのを見たことがありませんか?

他には「本品製造工場ではえび、かに、卵、乳成分を含む製品を生産しています」などという書き方がされている場合もあります。

食物アレルギー 注意喚起表示

注意喚起表示の例

「ふ~ん。で、それが何だよ」って思いませんか?

 この表示は一体何を意味しているのでしょう?

 

これは食物アレルギーの注意喚起表示と言って、アレルギー物質を原材料として使用していなくても、製造過程で意図せず混入してしまう可能性がある場合に表示されることがあるのです。

 

例えば隣の製造ラインで小麦粉を使った製品を作っていたとして、風などでその小麦粉が飛んできてほんの少し混入してしまう可能性がゼロではないというような場合などです。

このような意図しない混入をコンタミネーションと呼ぶそうです。

アレルギー疾患のある人の中にはこのようなコンタミネーションによっても症状が出てしまう方がいるそうで、そのための注意喚起表示なのです。

 

他にはこんな表示もあるようです。

「本製品で使用しているしらすは、かにが混ざる漁法で採取しています」

「本製品(かまぼこ)で使用しているイトヨリダイは、えびを食べています」

 

これ、けっこう笑えますよね。

なぞなぞでしょうか?

 

 

「本製品(かまぼこ)で使用しているイトヨリダイは、えびを食べていますよ。ではここから一体どんなことが考えられるでしょうか? さあ、 ヒントは与えましたよ。後は自分で考えてください」と。こんな感じでしょうか。

 

三段論法みたいに推論しろってことでしょうか?

「かまぼこの原材料であるイトヨリダイはえびを食べている」→「私はえびアレルギーである」→「私はこのかまぼこを食べるとえびアレルギー症状を発症する可能性がある」と。

 

「はい、正解。よく分かりましたね。だからこのかまぼこを食べるかどうかはあなたの自己責任で判断してください」

とまあ、こういうことですよね。

 

まったく潔くないですね。

「混入」や「コンタミネーション」という明確な言葉で注意喚起をするとアレルギー疾患を持つ消費者の購買意欲をそぐことになってしまう。

だからと言って原材料について何の情報提供もしないと企業の姿勢を問われかねない。

そこで苦肉の策として、こんなとんち問答みたいな言い草で人を煙に巻こうとしているのでしょう。

臆病者って感じでカッコ悪いですね。逃げ腰のくせに消費者に対して責任を果たしているようなポーズを取って。

 

心意気を見せてもらいたいものです。

「甲殻アレルギーをお持ちの方は、発症のリスクを完全には否定できません」とか、あるいはもっとまどろっこしくてもいいのでとにかく「だからどうなんだ」という結論を示してもらいたいです。

 

結論は言わず、ただヒントになる情報だけを与えて「どうか察してください」「気付いてください」なんて、土居健郎の言う「甘えの構造」ってやつですかね。

 

自動車のバックドアに「子供が乗ってます」とか「BABY IN CAR」なんてステッカーを貼っているのを見かけることがありますが「だから何?」っていつも思ってしまいます。それと似た感情ですね。

そのステッカーを貼ることで周りの車に何を期待しているのか、それが伝わってこないのです。それとも「それを考えろ」と要求してきているのでしょうか?

 

「法定速度で走行します」「ふぅん」

「タコグラフ装着車」「へぇ」

「エアサスペンション」「ほほう」

でオレはどうすればいいんだよって気持ちになります。

 

ちょっと話がそれましたが、上に挙げたアレルゲンの注意喚起表示はメーカーの義務ではないそうです。

義務でないならこんな中途半端な表示はいっそしない方がマシなくらいです。

 

豆知識として記しておきますと、消費者庁のホームページによれば、必ず表示しなければならないのは特定原材料と呼ばれる7品目(卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに)を原材料に使用している場合だけだそうです。

混入の可能性についての表示は推奨はされていますが義務ではありません。

また特定原材料に準ずる20品目というものもありますが、こちらも表示が推奨されてはいますが義務ではありません(平成27年4月1日より施行の食品表示法)。

 

 

まあ、臆病なのは私も同じなのです。 

 「好きです」と好意だけは相手に伝えられるけど「付き合ってください」とまでは言えず、その後の出方は相手に委ねるような卑怯者。

ですので相手にはきっと「だから何?」「でどうしてほしいの?」なんて思われていることでしょう。クロージングをかける勇気がないのですね。

 

大多数の方の賛同を得られるはずだと信じて、偉そうにもこんな記事を書いたのですがどうでしょうか?

えっ、オレの方がおかしいの?