今日は猫草について書いてみようと思います。
うちの猫は年に何回か毛玉を吐くことがあります。
特に春から初夏にかけては抜け毛が多くなるため、毛づくろいをしたときに飲み込んでしまう毛の量も増えてしまいます。
飲み込んだ毛は通常は便と一緒に排泄されるらしいのですが、毛の量が多かったりすると胃の中に溜まって毛玉になることがあるのです。
そんな毛玉を吐き出させるために役に立つと言われているのが猫草なんですね。
草で胃が刺激されることで嘔吐反応が誘発されるそうなのです。
人間だったら喉に指を突っ込んで吐いたりすることもできますが猫にはできません。
その代わりに草を食べるんですね。
一体どこでそんなことを教わったのでしょう?
きっと本能的に知っているんでしょうね。
今回は無印良品の「猫草栽培セット」を使って猫草を育ててみました。
栽培方法は実に簡単です。
開封して口の部分を折り返すと外側の紙袋がそのまま鉢に早変わり。
紙の鉢は防水加工がされているので床が濡れることもありません。
季節や気温にもよると思いますが、今回は4日くらいでポツポツと発芽が始まりました。
10日ほどで食べ頃に成長しました。
美味しそうですね。
さっそく猫に食べさせてみましょう。
猫草を目ざとく見つけるとすぐにかじりつきました。
良かった。
何も反応を示してくれなかったらどうしようと心配していたのですが、この草には猫の好奇心をそそる何かがあるようです。
しかし鉢が軽いため、写真のように簡単に持ち上がってしまいます。
そのため噛んで引っ張って千切るのが難しそうです。
しばらくの間猫草と格闘していた猫はやがて諦めてその場を離れました。
食べたい気持ちはあったのでしょう。
それは見ていて感じました。
しかし残念ながら今回は3つの要因によってその願望は満たされませんでした。
1つは猫は元々肉食動物であり、ヤギや羊のようにモグモグと草を食むような口の構造になっていないということです。
もう1つはこの猫草セットはあまりに軽く、空中に持ち上がってしまい草が千切れてくれませんでした。
最後はうちの猫に少々工夫が足りなかったということです。
前足を使って鉢を押さえつけ、鉢が持ち上がらないようにしておいて引き千切るという発想がなかったのです。
その後3日ほど猫草を部屋に放置しておきましたが、猫は一切見向きもしませんでした。
もう一度チャレンジしてみようという意思も示しません。
すぐそばを通ることがあってもまるでそこに何も存在していないかのように一瞥もくれません。
日を替えてもう一度試してみようという気にはならないのかな?
前回うまく食べられなかったことなど猫の記憶力だとすぐに忘れてしまって、またかじりついても良さそうなものじゃないか?
しかしうちのピヨピヨはその後一切、猫草にかかわりませんでした。
蹴とばしたりパンチしたりというイタズラもしません。
猫草を「無視する」という能動性すら超越し、もはやその目に猫草は映ってさえいないのです。
完膚なきまでの無関心というその薄情さはむしろ爽やか。
いろいろと未練たらしい感情を引きずって生きている私にとって尊敬の念さえ抱かせる態度です。
仕事での失敗。
上手くいかなかった恋。
失ったお金。
猫にとっては反省もなければ後悔もありません。
恨みも悔しさも無念さも、そして自己嫌悪もないでしょう。
素晴らしいね、オレのピヨピヨ!
最後にあたかも猫草を食べているように見える写真を何枚かご覧に入れて今回の記事を終わりにいたしましょう。
観葉植物として育ててみるのも良いかもしれませんね。
とても綺麗なグリーンで、大好きになりました。