以前からウチの猫のことで気になっていることがあります。
それは下腹部のブヨンとしたふくらみです。
写真を見ていただければ一目瞭然。
ご覧ください。
どうですか?
実に不格好じゃないですか。
お腹が床につきそうです。
腹の毛で床を掃除しながら歩いているようなものですよ。
毛も汚れるし、その体でベッドへ上がってこられるのも困りものです(掃除しろって?)。
肥満というほどではないけれども決してスリムとは言えないウチの猫。
ちょっとエサを減らすべきかなと考えてプチダイエット期をもうけたこともあるのです。
ところが最近になって、この下腹部のふくらみが肥満による脂肪の出っ張りではなく「ルーズスキン」と呼ばれる皮膚のたるみであることが分かったのです。
「分かったのです」などとのんきなことを書きましたが、猫と共に暮らして13年。
「ルーズスキンくらい知っとけよ」と自分を激しく責めております。
ルーズソックスなら知ってるんですけどね。
まったく飼い主失格です。
猫の体のことを何も分かっていない。
ルーズスキンを知らなかったことは氷山の一角で、本当であれば猫に対してもっとしてあげられることがあるのに無知ゆえにできていないのではないか?
いつか愛猫とのお別れの日が来た時に「もっとああしておけば良かった」「もっと早く気付いてこんな対処をしておけば良かった」などと後悔することになりはしないか?
私は「ルーズスキン」を知らずに13年間も猫と過ごしてきたということに非常にショックを受けております。
また私は動物関係の仕事をしていて、日常たくさんの猫たちに接している身なのですからなおさらです。
さて、ではこの不格好なルーズスキンとは一体何なのでしょうか?
いろいろなサイトを参考にさせていただきながら調べてみました。
そうすると以下の2つの役割を果たしているとの見解が多く見られました。
1)外敵に腹部を攻撃された時に、柔軟性に富む皮膚によって内臓へのダメージを少なくできる。
これはどういうことかと言うと、柔らかい皮膚によって歯や爪などの攻撃力を上手く逃がし、内臓に致命傷を負うリスクを減らすという訳なのです。
硬いもので腹部を覆うのではなく、逆に柔らかくいることで「柳に風と受け流す」戦法です。
相手を「暖簾に腕押し」の状態にするのですね。
2)ジャンプする時に腹部の皮膚が突っ張らず、可動域を大きく保てる。
これは説明の必要はないでしょう。
皮膚にゆとりがある方が後ろ足を大きく後方に伸ばすことができるのです。
このルーズスキンはイエネコだけではなく、ライオンやトラ、チーターやヒョウといった他のネコ科の動物にもあるそうです。
なんだ、そうだったのか。
百獣の王ライオンも持っているという強力な装備を、ウチの寝てばっかりいる猫も備えているってわけか。
苛酷な野生で生き抜くための特徴を我が猫も持ち合わせているということに、少し誇らしい気がしてきたではないか。
怠け猫ゆえのお腹ではなく、走ったり跳んだり身を守ったりという戦闘能力の証であったとは。
ただネット上でネコ科の野生動物の画像を何十枚と見てみましたが、こんなお腹をしているライオンやチーターなどは見つけることができませんでした。
みんなもっとシュッとしたお腹をしておりますけれどもね。
まぁいいでしょう。
このお腹のたるみが脂肪ではなく皮膚だということが分かりましたから。
しかし中には本当に肥満による脂肪でお腹が出ているケースもあるそうです。
皮膚をつまんでみて判別する方法が他のサイトで紹介されていますので、気になるという飼い主の方はぜひご確認ください。
またこのたるんだお腹がカワイイという声もあるようですね。
私もこれからはそう考えるようにしましょう。
ぷよぷよのお腹かわいいねと。
オレはルーズな性格。
あなたはルーズなスキン。
似た者同士ってことで仲良くやりましょ。
ちなみに「ルーズスキン」っていうのは通称で、正式には「プライモーディアルポーチ」って言うそうですよ。
カッコいいですね。
「大根の味噌煮」なんかの対極に位置する言葉です。
こんな言葉をサラリと口にすればキャバクラでモテるんじゃないでしょうか?
(なわけないか?)
みなさん、ぜひ何回も唱えて覚えましょ。
オレ?
オレはルーズスキンでいいよ。