荒川光のブログ

Hikaru Arakawa's blog

鳥を空中散歩させるAI搭載の高性能ドローンができたら鳥を飼いたい

私は鳥を飼ったことは一度もないのですが、飼いたいなと思ったことはあるのです。

ベランダの物干しざおに鳥かごを掛けて、そこで飼うのです。

 

しかしご存知の通り、鳥の最大の特徴、鳥の鳥たるゆえんと言えば、その翼を羽ばたかせて大空を飛ぶことにあります(もちろん飛べない鳥もいますけど)。

もしも「私は鳥だ」と言い張る人間が目の前に現れたとしたら、私たちはまず「じゃあ飛んでみて」と言うのではないでしょうか?

飛べるか否かが鳥かそうでないかを分かつ第一の指標となるのです。

 

空と風との両親から生まれてきたような鳥を狭い鳥かごに閉じ込める。

翼は羽ばたきたがっているのに、それを許さない。

それは虐待に近い行為のように、私には思われます。

 

 

南米にコンドルという大きな鳥がいます。

全長は1.2m、翼を広げると左右の幅は3.2mにもなるそうです。

アンデス山脈の高い崖から飛び立ち、谷間を遥か眼下に見ながら、優雅に空中遊泳をおこないます。

大きな羽を広げたまま1度も羽ばたかずに、気流に乗って2~3時間も空中をたゆたうことができるようです。

ヒューという風の音しか聞こえないような空の高みで、背中一杯に太陽の光を浴びながらコンドルは飛ぶ。

 

そんなコンドルを飼いたいと、あなたは思いますか?

コンドルを窮屈なカゴに押し込め、エサと水をやり、間近でその姿を眺めて楽しむ。

そんなことをしてみたいですか?

ちょっとできかねるのではないでしょうか。

 

オウムだってセキセイインコだってやはり事情は同じです。

私は鳥を飼うことは、心苦しくてできないのです。

赤い鳥かご

でも1つだけ、もしこういう条件であれば鳥を飼いたいなと思っていることがあります。

それは犬にするのと同じように鳥にリードを付けて、ドローンで空中散歩させることができたらなということです。

ドローンで鳥を引っ張っていくのではありません。あくまで鳥が主でドローンは従の関係です。いわば、鳥がドローンを散歩させると言ってもいいでしょう。

 

現在のドローンの性能ではまったく役には立ちません。ドローンによる空中散歩を可能にするためには、次元の違う進化が必要です。

 

鳥を散歩させるドローンに求められる性能は以下の5点です。

 

①鳥の飛ぶ速度に付いていく飛行性能

 

ツバメは時速200kmで飛ぶこともあるそうです。

時速200kmで巡航するドローンの開発は不可能ではないでしょう。しかし問題なのはツバメが時速0kmから200kmまで何秒で到達するかです。加速性能が重要なのです(注・ツバメは野鳥なので飼うことは鳥獣保護法で禁じられています。ここでは例として出しました)。

 

②鳥の急な減速に合わせて同時に減速するブレーキ性能

 

加速性能というのはもしかしたら技術的には容易な部類に入るのかもしれません。減速する能力の方がはるかに難易度が高いように思われます。

ツバメが時速200kmから急減速して電線にとまるという行動を取ったなら、ドローンも同様に急減速してツバメと並び、しかし電線には触れないように停止しなければなりません。

ドローンが止まれずに行き過ぎてしまったらツバメが首を傷めてしまいます。

これ、結構むずかしいんじゃないでしょうか!

 

③鳥の急な上下左右の動きに即座に反応し、まるでひもで結ばれてでもいるかのように(結ばれているんだけど)追従できる飛翔性能

 

時速100kmで飛んでいた鳥が何の前ぶれもなく90度左へ旋回し、その後の1秒間に30mも高度を下げるような動きをした時に、まるで影のように鳥に追従して後を追うことができなければなりません。

鳥とドローンとを結ぶ1.8mのリードがピンと張ることなく、常に弛んだ状態を維持したまま鳥とともに仲良く飛べなければなりません。

 

④鳥を攻撃してくる他の鳥(野良犬ならぬ野良鳥、例えばカラスとか鷹とかの狂暴な鳥)から自分の鳥を守る機能。

 

例えば音や光で威嚇したり、棒で叩いたりして撃退する機能も必要です。

空中で鳥がトンビに襲われて食べられそうになっているのに、ドローンがそばでただ指をくわえてボーっと見ているだけってわけにはいかないのです。我が鳥を守ってもらわなければなりません。

ミサイルを発射する必要はないですが、柔らかいスポンジを貼ったハエたたきか何かで、トンビを怪我させないように安全なところを狙ってピシャっと叩いてもらいたいです。

 

⑤空中散歩が終わった後、鳥を安全に自宅までエスコートする性能

 

帰って来る時には、鳥にストレスを与えない張力でリードを引っ張って鳥かごまで誘導します。

鳥が疲労をうったえた場合には適宜休ませ、もし「もう疲れたから飛びたくな~い」などと駄々をこねるようならドローンに乗せて家路につきます。

 

以上のような性能を持ったドローンの開発が待たれます。

本気を出せばできるでしょう。

我こそはという志のある方は、ぜひクラウドファンディングなども活用して鳥の空中散歩を実現させてください!

これが現実になった暁には、今まで鳥を飼うことを諦めていた人たちが飼うようになり、もしかしたら犬猫を追い越して一大鳥ブームになるかもしれません。

とても楽しみですね。